ジブリ作品

吉野源三郎「君たちはどう生きるか」は絵が下手なのになぜ人気?

1937年に吉野源三郎さんが著した「君たちはどう生きるか」。

2017年に漫画として売り出され、半年で200万部を突破するほどのベストセラーの漫画となりました。

ここまでなぜ人気なのか疑問に思う方も多いはず。

一方で口コミによると「絵が下手」、「内容が苦手で気持ち悪い」などという意見もちらほら発見。

意外とネガティブな声もあるんだね・・・。

絵のクオリティから話の内容まで苦手や嫌いなどネガティブな意見があるのは驚きですよね。

今年は映画が公表されることから期待されている「君たちはどう生きるか」。

そこで今回は、絵が下手なのになぜ人気なのか、嫌いという意見や気持ち悪いと言われる理由などを調査してみました!

 

君たちはどう生きるか漫画(絵)が下手なのになぜ人気?


「君たちはどう生きるか」は、漫画家である羽賀翔一さんによって出版されました。

作者は本作以外に、社内のエピソードを漫画化にしたエッセイ漫画などを出版。

しかし口コミによると、「絵が素人のレベル」と厳しい声がありました。

この絵に君たちはどう耐えうるか。なんていう声も(;_;)

確かに漫画やアニメの影響で、巷で絵が上手い人は多くいますよね。

絵だけで読者の心を掴むのはかなりの難易度があります。

しかしここまで本作が人気なのは、内容の深さと関係しており、あえてこの絵が採用された理由があるのではないでしょうか。

作者や絵に関してさらに深く調査していきましょう!

 

原作と異なる細かい仕掛け


漫画「君たちはどう生きるか」では、コペルくんの身に起きた数々の出来事は漫画で描写され、叔父さんからのメッセージは活字という形で描かれています。

実は原作と漫画では、異なる細かいポイントがいくつかあるんですよ!

原作と漫画の違いはなんだろう!?

そしてなぜ漫画がここまでベストセラーとなったのでしょうか?

実は原作で描かれる叔父さんは威厳のある大人なキャラクターであるのに対し、漫画ではコペルくんと一緒に成長していくようなキャラクターにしたそうなんです。

これには時代が大きく関係しているのではないでしょうか。

世代を超えて作品を届けるからこそ、様々な工夫がされて作品が作られているんですね!

80年も前に書かれた本を、バトンのように長い時間読まれる本にしたいという気持ちから漫画の作者である羽賀翔一さんのこだわりがたくさん詰まっている作品でもあるんですよ♪

 

あえて深みが出る画風

漫画の表紙はその作品が面白いかどうか、いちばん初めに判断されますが、本作の表紙であるコペル君があまり魅力的ではないと思う方もいるそうです。

今はおもしろい漫画がたくさんあるからこそ、本作の絵が微妙と感じてしまうのは無理ないと思う一方、この絵だからこそ出せる深みがあるのではないでしょうか。

「生き方」という非常に深く重たいテーマを扱っていることから、万人受けの絵のタッチではなく、味がでるタッチで描かれたのではないかと思います。

上手い絵でも、作風と合わなかったりあまりにもポピュラーなタッチで描かれると、逆に読みずらいよね・・・。

また、本作の絵のタッチから児童向けの漫画のような懐かしさを感じることができ、童心に戻ったような気分になるのではないでしょうか。

この絵を下手と捉えるかどうかは、読み手によって変わるということですね!

 

君たちはどう生きるかが苦手や嫌い・気持ち悪いと言われる理由は?

原作と漫画では時代によって描き方が変わるという小さなポイントがありました。

ただ、話のストーリーは大きく変わったわけではないので、読んだ人の中には絵ではなくストーリー自体が苦手気持ち悪いという声もちらほら。

確かに原作が出版されたのは昭和、漫画版が発売されたのは平成であり、現在は令和。

このように時代が大きく変わっているからこそ、作り手と読み手に相違が出てくるのは仕方がないことなのかなと思います。

ただ時代が変わっても形を変えずに愛される作品もある中、なぜ本作はネガティブな意見が目立つのでしょうか?

 

時代によって変わる価値観

ネガティブな意見で最も多かったのは、『こうするべきだ』感にげんなりしてしまうという声なんです。

各章で、コペル君が経験した内容を聞いた叔父さんが、彼に宛てて書いたノートが掲載されるという構成。

これに関して、年長者が年少者を誘導しているという意図が気に食わないという方が多いようなんです。

きっと「多様性」や「自由」が重要視されている現代に、本作の「集団への同調」というメッセージは、伝わりづらいのかもしれません。

なんだか説教されているような感覚になり、苦手と感じる人が多いよう・・・。

時代や環境によって生き方や考え方が変わるからこそ、それぞれの価値観が変わるのは当然の事ですよね。

 

タイトルの本当の意味

その一方で心に響いた方も多く、ファンも多い本作。

中には「君たちはどう生きるか」では、本当に学ぶべきストーリーは、このストーリーではないとも言われています。

本作に正解を探すのではなく、コペル君の姿を通して「自分がどう生きていくのか?」を考えるきっかけにすることが重要なんですね。

本作が描かれたのは過去で時代は違えども、「どのように生きるか」という問いに関して、いかなる時でも明確な回答を求めようとする姿勢ではなく、その問いに向き合う事自体への大切さが説かれているのです。

もちろん時代背景は違いますが、本質の伝えたいメッセージは、世代を超えても変わらないということですね。

深いな・・・。

また巷の自己啓発本とは違い、正解を提示されるのではなく、読み手によって解釈が変わるような内容なので、それぞれ捉え方が変わるのは当然なのではないでしょうか。

人それぞれ好みが違うからこそ、この本を通じて多様性が生まれるのは素敵なことですよね♪

 

まとめ

今回は、漫画「君たちはどう生きるか」がなぜ人気なのか、苦手や嫌い、絵が気持ち悪いというネガティブな意見が言われる理由まで徹底調査していきました。

現代では洗練された絵で面白い漫画がたくさんあるからこそ、本作の絵のタッチが下手と感じ、苦手な印象を持つ方も多くいるそう。

しかし漫画家である作者のこだわりも詰まっており、物語と絵が見事にマッチして味のある漫画に仕上がっているんですね。

したがってこの絵を下手と捉えるかどうかは読み手次第ということでしょう(笑)

また原作は戦前に作られたため、物語の内容も厚かましくて嫌い、気持ち悪いと言った意見も。

ただ、時代は変わっても人間の悩みの根本的な悩みは変わらず、いかなる時でも「自分はどう生きたいか」問い続けなければいけません。

「人生山あり谷あり」だもんね~。

そんな時に本作である「君たちはどう生きる」は、その問いに向き合うきっかけになるのではないでしょうか。

そう考えると、本作がなぜ人気なのか見えてきましたね。

賛否両論あるからこそ、それぞれ「君たちはどう思うか」と投げかけられているかのようにも感じます。

まだ本作を読んでない方は、ぜひ手に取ってみてください♪